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9月の保護猫TNR活動報告

原発関係の支援事業で、老人数名しか住んでいないような過疎集落をめぐり活動する支援員の方がおり

とある部落の悲惨な現状を聞きました


まず、猫を飼っていたお婆さんが、近所のお婆さんにエサやりだけをお願いし、老人ホームへ

頼まれたお婆さんはエサやりをしていたものの、どんどん猫が増える

猫が増えすぎて嫌気がさし、エサやりを拒否

猫が他の家に侵入し、家の中の物を食べる

お爺さんが毒を撒く


その部落には沢山の具合の悪い猫たちであふれ、いつ死んでもおかしくないような子猫が沢山いたそうです

大分遠い場所なので、支援の際に連れ帰ってきてもらい、さくら猫にしようという話になっていました

ですが、この部落では誰もエサやりすらする意思が無いため、リリースも出来ないため、里親様を探す必要があります

状況は伺ったので、支援員さんからの返事を待ちつつ、こちらはこちらで通常通り保護活動を継続しました



9月11日に保護した子猫ちゃんです

エイズ・白血病は陰性でしたので、こちらの子猫は預かりさんのお宅に預けながら、里親様を募集することになりました

里親様が27日までに決まらない場合、一旦さくら猫の手術を行い、再度預かりさんのお宅で飼い主様が見つかるまで過ごす予定です




















9月11日保護の茶色多め三毛猫さんです

お顔の左側が腫れていましたが、腫れはすぐに引きました

保護してすぐにフロントラインスプレーでノミダニ駆除

お風呂に入れました

今まで最強クラスの凶暴さで、お腹側は断固拒否、洗えませんでした

エリザベスカラー・タオル・革手袋・ネットボディブラシを駆使し、爪切りは成功

持ち上げ断固拒否のため、タオルドライが限界…

お風呂後は洗濯機の脇に隠れ、キツキツにハマっていました

初日ご飯も水も一切口にせず


夜はケージの中で慣れてもらおうと、ケージの中で過ごしてもらいましたが

朝起きると、段ボールを置けばボロボロに、タオルはビリビリに、ご飯・水はグチャグチャ

オシッコはケージの中のペットベットで…と散々な状態でした

この子は27日までに里親様が決まらない場合、さくら猫の手術の後リリース予定ですが、それまでの間は里親様を探すこととなりました




翌日、12日の夕方、ミケさんをエイズ・白血病検査のため病院へ

エリザベスカラーをしたから大丈夫かな?と甘い考えで連れて行ってしまったのですが

これが病院に大変な迷惑をおかけすることに…

凶暴な子はネットに入れないとダメとの事で、ネットに入れようとしたところ脱走

病院内を爆走し、何かしらが壊れたガッシャーン!!という音が…

捕まえてくれた先生も負傷し流血

診察台に乗せたら今度は排尿してしまい、消毒の為診察中止

エイズ・白血病は陰性で良かったのですが、病院に申し訳なかったです


9月12日の午後8時ごろ、飼い猫の【おう】ちゃんが永眠しました

慢性腎不全ながら、延命治療の補液を毎日行っていたので、亡くなる3日前くらいまではご飯も食べる意欲がありました

体も一般的な腎不全の子のように汚れたり匂いが出たりしないようケアしていたので綺麗で、限界まで生きてくれて、こちらの覚悟が十分できた状態での死でした

【おう】ちゃんも保護猫で、保護時は口内炎で顔も体も汚れまみれ、体は好酸球菌肉芽腫で皮膚が裂け穴だらけという状態でした

手術や長期の皮膚治療に耐え、元気になってからは、人間大好きな優しい子となり、保護猫への理解も一番あり、来る猫全てに優しい子でした

ジモティーにて里親募集を行っていた所、12日に、メールにて子猫さんへの里親希望がありました

【メールの内容】

74歳の母が、近くに住んでいるのですが、

本人は知らないのですが、先日余命宣告を受けました。

前から猫ちゃんと一緒に暮らしたいと言っており、今、私と姉とで、母の癒しとなってくれる猫ちゃんを探しています。

勝手な都合のようになってしまいますが、母は、猫ちゃんが大好きで、写真をみているだけでもとても嬉しそうに、元気になります。

姉も私も、子どもや夫が猫アレルギーで、その後猫ちゃんを引き取ることができないのですが、母がもし、亡くなった後は、母のいとこのおじさんが、猫ちゃんをひきとると言ってくれています。

保健所や、保護機関の猫ちゃんは、高齢者の一人暮らしへの譲渡に厳しく、条件がクリアできず、ジモティーに辿り着きました。

ジモティーで見つけたこちらの猫ちゃんは、もう譲渡が決まってしまったのでしょうか?


これってつまり、お婆ちゃんが一瞬猫を飼いたいがために、子猫を譲渡してもらえないかって事です

親戚で猫を変える人は母のいとこの叔父さん=お爺さんだけで、後は誰もいない

こういう人が今の野良猫が沢山いるような現状を悪化させているのだと思います

74歳のお母さんは可哀相ですが、猫は物じゃありません

心を癒すためのグッズじゃないんです、今や20年以上生きる生き物です、ダメに決まっています

ですが、エイズ・白血病キャリアで、余命はあまり無いものの、今は健康なので74歳のお母さんをみとれるくらいは元気に一緒にいられる子がいるので、その子の里親になってはどうですか?とお話しさせていただきました

理想的なマッチングだと思ったのですが、相手方からは「病気ではない健康な猫が欲しい」とお断りされました

お話になりません


この方がジモティーにて今後も子猫の譲渡希望をし、この条件では無理なんだと嘘をつくことも考えられたので、里親募集をされている方に警告のご連絡をさせていただきました


その時、飼い猫に会いに来る野良猫さんを保護して、どうしていいか分からず困っていた方とお知り合いになりました

保護してから、落ち着かせたり、体のケア、仲良くなる方法、今後の里親募集の流れなど、譲渡までの間アドバイスさせていただく事となりました

保護人さんは当初、野良猫さんにおっかなびっくり対応されており、色々ご質問を頂きました


保護人さん:ケージから出たがって暴れます、どうしたらいいでしょう?

私:段ボールの箱をケージに入れて、其処に入ると落ち着きますよ

保護人さん:翌朝段ボールが粉々でどうしたら良いでしょう?

私:怒ったり大きい声を出さず、何事も無かったように淡々と掃除し、新しい段ボールを入れてあげてください、3回くらいやると壊さなくなります

色々なご質問に、こんな感じのやり取りを半月ほど繰り返すこととなりました

この位の子猫さんなら、どんなに凶暴でも余裕だと思うんですがね、慣れない方だと大変みたいでした

先住猫さんがいるご家庭でしたので、虫駆除とお風呂は入れた方が良いと思い、お風呂の入れ方もおすすめの方法をお教えしました

まず、お風呂の物(シャンプーなどや取り外せる棚は取り外す)を全部出す

猫ちゃんの首の上をしっかり掴む、ここさえ掴めれば殆どの猫はここを離さなければ洗えます

ここを掴んでも噛んだり引っ掻こうとする子はエリザベスカラーを使用します

このレベルの猫さんなら素手で洗えるタイプです

近づく事すらNGで、手を伸ばして引っ掻いてくるタイプの子も、大概掴める瞬間があるのですが、凶暴な子の首を掴むまでは慣れていないと難しいので、そういう場合は、100均で売っているネットボディブラシがオススメです



柄があるので少し離れた所から洗えます

ただ、稀に目を狙ってジャンピングアタックしてくるような凄い子もいますので、絵があるから大丈夫と洗う事に集中しすぎず、猫の動きを見て、攻撃をかわしながら洗います

また、ネットの部分を噛ませておいて、爪を切ったりもできます

手足は限界位まで引っ張って、戻そうという力に負けずにしっかり押さえていれば、引っ掻く事が出来ないため簡単に爪が切れます

かなり凶暴な子でも手を引っ張れば爪が切れますので、闘争心を少しでも減らすためにも頑張って爪は切った方が良いです


お腹を洗ったり、体を拭く際の持ち上げ方です

我が家のはっちゃんはおデブすぎるので、首で持ち上げることはできませんでしたが…

後ろ脚2本を片方の手でしっかり持ち、引っ張って伸ばす

体は縮込められないようにビヨーンと目一杯伸ばします


猫さんは柔らかい体を縮めた状態から伸ばすことで、ジャンプしたり攻撃しますので

基本は手足や体を伸ばして縮められないようにすることで、攻撃できなくなります

脚のバタバタ攻撃なども、足をまとめて持ち引っ張ることでバタバタできません


猫のお風呂入れが得意な私、気持ちよさそうな子は湯船もいれるし、私も一緒に裸で入ります

お風呂に入って気持ち良くなると、大抵の猫さんと仲良くなれます

ただ、今回の三毛さんは中々心を開いてくれない子です…

保護当初にできていた顔の瘡蓋が取れてきました、気になる…


9月18日、預かりさんのお宅にいた子猫さんが、預かりさんのお宅の家猫さんになることが決定しました

先住猫さんととても仲良しになってしまい、もう離すのが可哀相な状態になってしまったとの事

この愛らしい姿を見たら離せませんね

飼い主さんが実費で手術を行う事となり、さくら猫になることも無く、耳カットもされず、良かったです(*^▽^*)


もう、親子のよう✨


9月21日

何と、凶暴な三毛猫さんに里親希望の方が現れました

以前、避妊手術はしてあるものの、劣悪な環境で外飼いされている猫さんの里親募集を行った際に、里親様に名乗り出てくれた方で、とっても優しくて猫が大好きな先住猫さんを飼っているので、相棒となる成猫さんの譲渡を希望との事でした

その時の猫さんはエイズ・白血病キャリアと判明したため、譲渡は中止となってしまいましたが、今回は陰性の子なので、再度里親を申し出てくださいました

直ぐにでも引き取って、里親様の所で手術を行うとの事でしたが、とても凶暴なため、病院に連れて行くのも一苦労だと思い、手術前に脱走されたり、トライアルが失敗する可能性も高いので、出来るだけトライアルが成功するように話し合いを進めました

結果、27日に手術をし、麻酔でボーっとしている状態で引っ越しをし、意識がハッキリしたころには新しいお家にいる、という状態が一番良いのではないかという結果になりました

耳カットは可哀相だけど、ここまで凶暴だと仕方ないです…


もう一匹、保護から譲渡までの流れをアドバイスさせていただいていた虎猫さん

この子も21日からのトライアルが決定しました

トライアル先は最近飼い猫を亡くされたお宅で、保護人さんの会社の同僚のお知り合いの方

トライアルがダメだった場合、さくら猫にしてから引き続き里親様を探す予定でいました

さくら猫手術日が近い日程でのトライアルだったため、譲渡決定し自分たちで避妊手術を行うなどの判断を待っていたのですが、トライアル先でとても暴れるとの事で、先に手術をお行ってからでないと飼うのが難しいと言われてしまいました

私としては全く大変じゃないレベルの猫さんなので、その里親さん大丈夫なのか?と疑問に思いました

一旦トライアルを中止し、26日に我が家で預かりましたが、懐っこいし、暴れないし、可愛いし、何の問題もありませんでした

猫を飼うのもお金がかるし、耳カット位別に…って考えだったのかもしれません

私は耳カット反対なので、その分頑張って働けばいいと思います


9月27日 2匹を連れ手術へGO


ミケさん、我が家でモリモリ食べていましたが、「痩せ気味なので補液していいですか?」と連絡がありました

その時は、我が家に16日も居てしっかりご飯を食べていたのに何で??と思いましたが

お迎えの際に、妊娠していたので堕胎したとの報告を受けました

この子は一度もお腹を見せてくれたことが無く常に伏せっていたので全く気が付きませんでした

妊娠中だったらもっともっとご飯が必要だったことでしょう、

警戒心が強く攻撃的だったのも当然です

それだったら産ませてから…という事もできたかなという思いもありますが、過ぎたことは戻りませんので前に進むしかありません

可哀相ですが、事情を里親様に説明し、27日にトライアルを開始しました

ミケさんの里親様、本当に心から猫好きなのが伝わってくる良い方で、インドアな感じなど私と似た印象でした

お名前はマコちゃんに決定したそうで、ピッタリの可愛いお名前に感激です(((o(*゚▽゚*)o)))


仔猫も27日に再び同じトライアル先に戻りました

こんな子猫すら「いたずらで困る」と言った方ですので、少しでも不安を感じるような飼い主さんなら、引き取るようにご忠告させていただきました


今月のサクラ猫手術は2件

里親様決定1件、トライアル2件


部落の野良猫達を保護する予定だったのですが、後日伺った際にはもう全滅状態だったそうです

過疎部落における動物愛護精神の低さ、命を思うモラルの低さを感じました

悲しい現実が色々なところで起きているのでしょうが、わずかな力でも、自分が出来るだけの事は今後もしていきたいです






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